Wednesday, December 28, 2005

Welcome to Salajevo/ウェルカム・トゥ・サラエボ

戦争。ジャーナリズムが決死の覚悟でその凄惨な現場を伝えようとする。この映画には「本物」の戦争現場が編みこまれていて生々しさがいっそう漂う。被弾で脚を砕かれた人。横たわって動けなくなった人々の周りにどす黒く光る血。崩れ落ちたビル。骸骨のような戦士・・・。日本でも数十年前まで起きていた光景には違いない。

私がアメリカに留学していたとき、この紛争は大々的に報じられていた。サラエボといえば、第一次世界大戦の導火線となった場所だ。ヨーロッパで最もイスラム的な都市ともいわれる。ヨーロッパの一角で起きた内戦は、地理的に比較的近い出来事であるために欧米諸国の関心もいっそう高かったという。その関心度は今でもしばしば、アフリカ内で起きている民族紛争と比較される。

それにしても、焼ける図書館の痛ましさよ。積み上げた知識が炎となり灰と化す。機関銃や砲弾の音が日常化した場所では、学力や知的好奇心や将来の夢など隅に追いやられるばかりだ。心は荒み、不安と隣りあわせで、もはやタバコをふかさずにはいられないといった状態ではなかろうか。ましてや子どもたちへの影響は計り知れない・・・。
ウェルカム・トゥ・サラエボ
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Monday, December 26, 2005

Finding Forester/小説家を見つけたら

ブロンクス育ちのの少年Jamalが、隠匿生活する有名小説家William Foresterと出会い、才能を開花していく。筋書きはチト野暮ったい友情モノ。しかし、若者がお年寄りから物事を学び、互いに語り合える場を持つこと自体が羨ましかった。

以前の私にもそんな環境があった。80過ぎの先生からギターを習い始めた。ギターを習うこともさることながら、レッスンでの会話が楽しみだった。その先生が急逝し、ギターを続ける意欲も失せてから久しい。最近また、ギターを始めようかと考え始めているのだが・・・。

さてさて、映画では物書きのコツが教授されている。"the words you write for ourselves are always so much better than the words you write for others" (自分のために書く文章は、人に見せるための文章に優る)であるとか、"you wirte your first draft with your heart; you rewrite with your head" (最初の草稿は心で書き、校正のとき頭を使って考える)など。なるほど、そういわれてみればそうだよなあ。"Punch it"(強くタイプしろ)ていうのもいい感じ。

William Foresterが実在の人物かどうか、私は知らない。英語圏の若者たちも知りたがっているようだ(Writer's Window)。知っている人、教えてください。

それにしても、小説家がいつも飲んでいるものだから(スコッチ・ウィスキーを?)、私もついついつられて飲んでしまった。最近特に、ウィスキーやブランデーがおいしく感じる。

小説家を見つけたら
小説家を見つけたら
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Thursday, December 15, 2005

マレーナ

イタリア映画の味が好きだ。景色や演じる俳優がヒューマニズムを暖かく醸し出すから。大人になる前の少年の思い出といえば、定番は甘酸っぱい恋心。少年レナは、年上のマレーナに片思い。マレーナの美しさは、共同体ではゴシップの対象で、あることないことが噂されてしまう。そんなマレーナを少年レナだけは純粋な恋心で追う。その追い方は、今だったら・・・な行動として、つまり、性癖の悪い輩の一面としてネガティブで根暗に解釈されるだろう。だが、このイタリア映画を見る限り、危険なムードは微塵もない。時代のせいか。それとも国民性の違いか。淡い少年の恋心と海風というオブラートで包まれている。ゴシップにしたって、俺だったらとてもじゃないけど干渉されない場所に引っ越すけどなあ、なんて思ってしまうのだが、マレーナは娼婦になり下がっても、そして邪険に扱われても、結局はシチリアで生きるのだ。シチリアとはそういう所なのかも知れない。それにゴシップは、人間的なコミュニケーションが息づいている証拠ともいえる。挨拶も当たり前のように交わされるし、一人ひとりに顔があると言う意味においても。その対称として無慈悲な戦争が描かれているようだ。それにしても、戦後の開放ムードでアメリカ軍を歓迎する市民の姿には、日本の映画で観る戦後の、物悲しさはない。

マレーナ
マレーナ
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Monday, December 12, 2005

ROOTS/ ルーツ

差別と抑圧に対する、アフリカ系アメリカ黒人としてのルーツと誇り。物語りの展開が躍動的だ。ビデオ全6巻の大作だが、一気に観ることができた(観たのはVHS)。

中核は、ドラムの音がしてクンタ・キンテが同郷の男と出くわすシーンだと思う。男はクンタに次のように言った。「昔のことを忘れるな。覚えていて子どもたちに伝えるのだ。ここで生まれた黒人は根無し草だ。アフリカ人でもなく、まして白人でもない。まるで、故郷を持たぬ新しい部族のようだ。」「故郷を知らないから、自分すら分からないんだ。」昔のことを忘れず、自分を知り、子供たちに伝えること。自分が自身のボスとしてそれが出来てこそ、本当の自由なのだろう。

自由が空気のように当たり前のときは、自由に気づくことは難しい。奴隷の身となってクンタが想い描く、アフリカの大空のような自由は、青く澄みきっていたに違いない。

私は実は、Alex Haleyの原作本「ROOTS: The Saga of an American Family」を持っている。いつかは原作を読もうと思っていたが、まだ手付かずだ。ハードカバーのその古本には、最初に買ったであろう人の署名と日付が記されている。Isabella C. Bennett, March 19th, 1977。まだご健在だろうか。あなたの本は今、日本の私の手元にあります。

ルーツ コレクターズBOX
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