Thursday, December 15, 2005

マレーナ

イタリア映画の味が好きだ。景色や演じる俳優がヒューマニズムを暖かく醸し出すから。大人になる前の少年の思い出といえば、定番は甘酸っぱい恋心。少年レナは、年上のマレーナに片思い。マレーナの美しさは、共同体ではゴシップの対象で、あることないことが噂されてしまう。そんなマレーナを少年レナだけは純粋な恋心で追う。その追い方は、今だったら・・・な行動として、つまり、性癖の悪い輩の一面としてネガティブで根暗に解釈されるだろう。だが、このイタリア映画を見る限り、危険なムードは微塵もない。時代のせいか。それとも国民性の違いか。淡い少年の恋心と海風というオブラートで包まれている。ゴシップにしたって、俺だったらとてもじゃないけど干渉されない場所に引っ越すけどなあ、なんて思ってしまうのだが、マレーナは娼婦になり下がっても、そして邪険に扱われても、結局はシチリアで生きるのだ。シチリアとはそういう所なのかも知れない。それにゴシップは、人間的なコミュニケーションが息づいている証拠ともいえる。挨拶も当たり前のように交わされるし、一人ひとりに顔があると言う意味においても。その対称として無慈悲な戦争が描かれているようだ。それにしても、戦後の開放ムードでアメリカ軍を歓迎する市民の姿には、日本の映画で観る戦後の、物悲しさはない。

マレーナ
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