Thursday, February 09, 2006

SLEEPLESS in Seattle/めぐり逢えたら

「運命」をキーワードにした恋愛モノなら他にもいくらでもある。現実の生活に漫然とした不満を抱き、理想や夢の世界にあこがれる、というのもよくある話だ。それでも、この映画は好ましく、ほほえましい。

何がこの映画を魅力的に仕上げているのだろうか。

まず、BGMがいい。決して新しくないが、恋愛に心を悩ます心情を映し出すような歌や曲。多忙な日常に押し込まれて忘れがちな、ほのぼのさを醸し出す効果がある。

次に、話の展開やリズム。二人が手をつなぐのは最後の一分であって、それまでは、現実世界と理想、そして広いアメリカという土地で離れ離れになった肉体をラジオが結びつけるのみ。私たち聴衆は、ハラハラさせられたり、自分の過去を思い出してみたり。

三つ目は、やはり俳優の存在が大きい。トム・ハンクス演じる垢抜けない一途な男と、メグ・ライアン演じる小悪魔的だが純真さが見え隠れする女性。そして、そこら辺にいそうでいて格別の味を出す、他の俳優たち。俳優一人ひとりが発する言葉にも注目したい。

また、この映画に欠かせないのが、アメリカン・ジョークの存在。ああ、こういったピンチはこうやって切り抜けるのかといった、一ひねりしたジョークがうまく使われている。

何にもまして映画のなかで一貫としているのが(と私が思うのが) 親子の絆だ。子どもをいかにして育てていくか、思いを巡らしながら観た人も多いのではないだろうか。

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Saturday, February 04, 2006

ALI / アリ

暴力装置としての国家に対して動じることなく、自分の信念に忠実に生きる。黒人としての誇り、美しさと強さを体現した男。それが英雄モハメッド・アリだ。とまあ、ここで褒めすぎても仕方ないけど、その時代の人々が求めていたことを具現化したのがALIだったのだと思う。

私が知っているアリは、まずは、アントニオ猪木とマットで対決したアリだ。猪木がアリのパンチを警戒して、すぐさま寝技で勝負に出てしまい、ボクサーとしてのアリの強さをテレビで見ぬまま引き分けになってしまったと記憶する。なお、「ボンバイエ」という言葉は、最近でこそ猪木の名を冠していたが、元々はアフリカでアリに対して「ALI BOMBAYE」と使われていたようだ。大晦日の猪木ボンバイエのときはボンバイエの由来がブラジルだと聞いていたのだが・・・。

私がアリを直接見たのは、2000年の大晦日、ニューヨークのマジソン・スクエア前だった。アリは高台の椅子に座って聴衆に応えていた。蜂のように刺すといった敏捷性は当然無く、むしろ敏捷性を脱ぎ捨てた落ち武者のようではあったが、国民のヒーローとしてのアリは健在だった。

さて、映画でアリを演じるウィル・スミスは、一見明らかにウィル・スミスなのだが、アリを演じきる彼は大したもので、私たちにウィルの存在を忘れさせ、アリとして見させてしまう。ボクサーとしてのウィルもさすがだ。

ところで映画の中のアリは、自分に対して正直ではあるが、女性問題が絡むと少々不正直だった。浮気相手のことについて「あの女のことを愛しているのか」と奥さんから尋問され、「I don't know」と答えてしまう。さすがのアリも正直になりきれていないようだ。

アリ
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